青春ストーリー
「何で亜弥が怒るのさ。しょうがないんじゃない?遥稀悪気あった訳じゃないし。」

さわやかな笑顔で言った今宮君に対し、女の子は不満そうにほっぺたを膨らませていた。

(あ、そっか。本人が言ったんじゃないし、ちょっと嫌な思いさせたかも。)

ここは謝るべきだろう。そう思い口を開けようとしたとき、時計を見ていた男子が唐突に言った。

「やば!もうこんな時間じゃん!」

指した時計は、そろそろ予鈴が鳴る時間だったため、三人は次々と教室に走っていった。

一人残された私は、自分のスマホを見る。そして呟いた。

「この時計、5分早い…」

三人の姿は、もう見えなかった。
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