強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】


「しかし相手が悪かったな。訴えられはしなくとも、警察上部はかなり圧力をかけられることだろう」

「それは、篤志さんや彼の父親の力で、悠を辞めさせるということ?」


そんなバカな。

食ってかかると、新城さんは迷惑そうに眉をひそめた。


「さあ。俺だって、警察がそんな圧力に屈する組織だとは思いたくない。大西にだって、早く復帰してほしいと思ってる」


それ以上の推測はやめ、新城さんは黙り込んだ。

篤志さんの状況や性格を考えると、訴える可能性より、裏から父親の力を使って悠を辞めさせる可能性の方が高そう。

うう~、そんなことさせるものか。そっちがそう来るなら、私は父に泣きついてやる。

私は、塔に閉じ込められたお姫様じゃない。助けを待っているだけなんて御免だ。

どうにかして、悠を助けなきゃ。


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