飛べない竜と詩えない妖精
今日の予定はないはず、だった。


なのにどういうわけか、空中庭園のカフェテラスでお茶をしている。そのうちのひとり――銀色の髪をした少年は、ほぼ無表情のまま紅茶を飲んでいる。そして春色の少女は目の前のパフェに嬉々としていた。……どう考えてもおかしいだろう。


「カラスさんと仲良しだったんですね!びっくりしました」

「……いや、仲は良くないぞ」

「そうですよ、気持ち悪いこと言わないでください」


相変わらずの毒舌。――まあ烏丸の場合、そうじゃないと気持ち悪い。いやいや問題はそこじゃない。


問題は……何故烏丸と春色の少女、が一緒にいるのかだ。

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