エンディングレター、明日。
第1章 *・ 希望

いつだって。



『あのさ、奏多はこれからずっーと先、幸せに過ごしていけると思うの!!』


そう明るく言ってドヤ顔を見せるやつ、亜豆 深桜(あずき みおう)




…幸せな未来、か。

そんなものがあるなら観てみたい。


国立病院、循環器内科棟、1060室の個室。
それが俺のいま。


昔から心臓が悪くて
小学校低学年は入院。
高学年に退院しできた

けど高校入学して1年目の冬、


病気が再発して もう3年目の秋になる。


入院生活にはもう慣れた



高校は留年中だし、友だちも見舞いにはちょくちょく来てくれるけど
今の話ってむずかしーのな、ほんと。


ついてけなくて 距離かんじる。


こんな体、いらねーの。


何度 点滴でさされたかわからない腕、急に痛みだす心臓、発作をおさえるための薬、抗がん剤…


耐えられない痛みと苦しみ。



体の毛、すべてが抜け落ちて
つるつるなう、の状態なのだが…


つら。



枯れかけた花は

能天気な深桜によっていつのまにか
新しいコスモスへと変わっていた。


『奏多さー、もっと笑ったほうが良きだよ、良き!!』



『あんなー、これでも笑ってるんですがー??』


深桜は 俺に買ってきたはずのエクレアをすべて食べ終わっていて

なんで全部食べたんだでぶ?ってきくと

〝エクレアが私を呼んでいた〟


とか言う。



あほか。と思いつつ
そんな深桜が 好きなんだ、俺。



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