エンディングレター、明日。
4時45分ぐらいに母さんがきて、そのまま担当の先生が病室にきた。



俺は心臓のせいで なぜか いま、右足が麻痺して動けないからな。


担当の先生、紡木先生は割と若く見える。
といっても38歳、独身。


黒ぶちメガネに天パ気味の茶髪。
先生っぽくない先生かなw


でも、いつもニコニコしている紡木先生が 部屋に入るなり真剣な表情をしていた。



そのまま俺をまっすぐみて口をひらいた。


『いまの医療ではね、奏多くんの病気は治せないんだ。』


あまりにもまっすぐで
何を言っているのかと思うぐらいに戸惑った。


先生の隣に座っていた母さんは 必死に涙を溜めていたけど、ぽたぽたと流していた。


俺はというと
うん、ただ真っ白になった。



だって治せないってことは死ぬことじゃん??



幸せな未来には期待していなかった。


期待していたのは、ほんの小さな夢にしかすぎない。


だからこそ


誰よりも先にそれを受け止めれることができたんだ思う。



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