私のイジワルご主人様
あたしとご主人様のカンケイ

「おはよう、ワンちゃん」


月曜日。

昇降口で靴を履き替えていると鴻上くんが声をかけてきた。



「あ…おはよう」



脳裏に昨日のことが思い出されて思わず心配になる。

だけど、視界に映る鴻上くんの顔はいつもと変わらない。

昨日のことが嘘のように思えるぐらいに。



「どうしたの、変な顔」



鴻上くんはあたしの頬をブニッと一瞬つまんで横を通り抜けた。



「へ、変って…!!」



つままれた頬を押さえて振り替えると、鴻上くんが口の端を少し上げて笑っているのが見えた。


もう。
まあ、元気みたいだからいいか。


鴻上くんは下駄箱を開けて上靴を取り出したあと、数枚の手紙をそこから取り出した。


相変わらずモテるなあ。


そう思いながら眺めていると、手紙を裏返して差出人を確認した鴻上くんがわずかにため息をついたように見えた。

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