私のイジワルご主人様

「だから、彼女を作ろうとしなかったんだね」



特定の人を作ってしまったらその子が傷つくのがわかっていたから。

だから鴻上くんはいつでも女の子たちに笑顔で、扱いに差があることなんてなかったんだ。



誰も傷つけたくなかったから。



「…ごめんね、ワンちゃん。まっすぐオレに向かってくるワンちゃんだからこそ、オレを嫌いになってほしかった」



あたしを悲しませるその言葉。

でも今なら、それが鴻上くんの優しさだとわかる。

あの「嫌いなった?」はあたしが自分から離れるようにさせるための優しさだったんだ。


そうすることであたしを守ろうとしてくれてたんだ。


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