隣り合わせ
「謝られても…なっ?」


亮は俺の顔を見ながら、タバコの火を消した。


謝られても困るはずだと思う。

亮の顔みたいに。


こんな風に…。


原田さんや麻衣にも。


同じように、顔を曇らせるんだったら。


やっぱり、俺はこのまま原田さんに気持ちを伝えない方がいいのかもしれない。


「当たり前だよなっ!」


俺が、我慢すればこのまま、誰も傷つかなくてすむんだ。


「俺、敦の辛そうな姿を見たくないんだ…だけど、けじめつけて、すっきりするんだったら?」


「………?」


「言ってみたら?」


亮が、笑って答えた。
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