アシタノヒカリ



そう意気込んで指定場所で待っていたのに、現実は残酷だった。

ドキドキしながら待っていた私の目に入ったのは、翔くんとあの女性が腕を組んでいる姿だった。

2人は私に気づかず、真っ直ぐこちらへ向かってくる。

逃げなければと、頭では分かっている。

だけど、足が動かない。

足の裏が張り付いてしまったように少しも動かない。


そのうち、翔くんが私に気づいた。

その瞬間、目を見開いて驚いた。



「知那……!」



そう翔くんが呼んだ瞬間、女がニヤリと笑ったのを見逃さなかった。

翔くんの表情、この女の笑い。

あのハガキは、この女の仕業のように感じる。



「翔太、知り合い?」



甘い声で、翔くんを呼び捨てにする。

ズキリと胸が痛む。




< 16 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop