きみが望めば
13.再会
「黒雲が取れてきたな。」
いつ間にか窓辺に立っていた。
緋色の髪にマントを肩に羽織り、金色の瞳をした、、ラファだった。

「ラファっ、、!大丈夫なの?!心配し、、」
「お前が素直に気持ちを受け入れれば、王子さまとハッピーエンドだな。」
強張った声。

「ラファ、香りの影響がまだあるの?ソラは?ソラは大丈夫なの?」

ラファの声が強張っているのが気になったけど、金色の瞳が懐かしいと思った。
あんなに嫌がっていたのに、こわくなかった。

駆け寄ろうとして、ラファの手に止められた。こちらに手のひらを向けて、来るなと、伝えている。

「ぁ、、香る?まだダメなの?」
あたしは首筋や手首、鎖骨、耳たぶの後ろの香水をつけたところを手のひらで拭った。
「これで消える?どう?薄くなった?」
「そんなことでは、」
もっともっと拭った。香水、少しだけにしておけばよかった。後悔した。

「おい、やめろっ。」
ラファが大股に近づいてきて手首を掴んだ。
ぐいっと引っぱられる。
手首は擦れて真っ赤になっていた。
鎖骨も耳たぶの後ろも首筋もひりひりする。


< 78 / 175 >

この作品をシェア

pagetop