A RUTHLESS KILLER
ド快晴だった。
白いキャンバスに水色をだいたんに撒き散らしたような空の色。
そこから光を降り注ぐ太陽に両手を伸ばしながら、「くあーっ」と一つ大きなあくびをしたアリは、左右に首を振って骨を小さく鳴らしながら外へと出て来た。
「……あっつ」
照りつける太陽の光がアスファルトに反射してゆらゆらと揺れている。
暑さとは反対に顔を撫でる風は冷たくて気持ちがいい。
都会のじっとりとした舐めるような温い風とは違う、乾いていてスッキリとしたものだった。
池の回りでは子供たちが楽しそうに戯れていた。
「よしっ。俺らもそろそろ起きるとするか」
アリはログハウスのドアを開け放ち、新しい空気を部屋の中いっぱいに送り込んだ。
「ほら、みんなそろそろ起きて。もう昼になっちゃってるよ! そろそろ昼飯にしよう!」
手をパンパンと打ち、大きな声でリビングから二階に向かって声をかけた。
「俺、となりの佐々木んとこ行って起こしてくるからみんなちゃんと起きててよー!」
「……おー」
うっすら聞こえてきた声は小太郎で、声からしてまだ眠たそうだ。女子は……まだ寝ているんだろう。全く返事をしない。