冷たくて優しい先輩






「ハア?私の郁人に触んないでよ」



「触るとかそういう問題じゃなくて、話がまだ……」



私が長浜先輩の腕を離さないでいるのが、腹立ったのか、ばんっと肩を突かれ後ろによろけた。


「涼葉ちゃん!」
長浜先輩の焦った声が聞こえた。



倒れる、と思った瞬間、後ろから誰かに支えてもらった。




ふわりと香る柔軟剤の匂い。



「大丈夫か?」


見上げると、ヨウ先輩だった。




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