夕やけ雲
「とうちゃーく」
あっというまに、あたしの家についた。
「家までありがと」
いつもは途中でバイバイするのに、
今日は、家の前まで送ってくれた。
「……その……彼女なんだから、
あたりまえだろ……」
照れくさそうに光輝が言った。
「これからも、家まで送るから」
“これから”
なんだかあたたかい。
「じゃあ、はやく入れよ」
あたしのあたまをクシャっとして、
もときた道を歩いていく光輝。
「光輝っ!」
光輝の背中にそう叫ぶと、
クルッとこっちにふりむく。
「どした?」