君が好き~16歳ママの恋~
でも……。


「橘くんは、夢羽を助けてくれた。

だから、教えるね。

私、次の春が来たら、学校やめる」


「なんで?」


「お母さんが社長なの。

だから、高校を出て就職しなくても、それなりの人とお見合い結婚ができる。

それなら、1秒でも長く、夢羽の傍にいてあげたい。

今、夢羽を守ってあげられるのは、母親である私だけだもん」


ずっと考えてたことなんだ。

学校に友達がいるわけでもないし、特別に行きたい理由もない。


夢羽も一応幼稚園に通ってるけど、あまり好きじゃないみたいだし、無理して通わせる必要も無いと思う。


それなら、夢羽と一緒にいてあげることができれば、いいんじゃないかって。


「お前、やっぱバカだな」


「え?」


「オレは母親の顔をしてるお前が好きだって言ったろ?

そんなこと言われたら、もっと好きになるだろうが」


「……」


「まま、おかお、まっかっかー」


夢羽に笑われた。


うー。


気づいてしまったよ。もうこの感情をなかったことにできないって。
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