君が好き~16歳ママの恋~


幼稚園は通学路の途中にある。


「今日もひとりで遊んでいましたよ」


先生から毎日のように聞かされる言葉。


友達いないのかな。

いなくてもいいって気持ちは分かるし、夢羽がいいなら、別にいいんだけど。


「そうですか……。ありがとうございました」


「夢羽ちゃん、さようなら」


夢羽は私の胸に顔を埋めて、何も答えようとしない。


「夢羽、先生にさようならして?」


「はやくかえろ?」


「さようならしてないから、帰れないよ」


こう言えば、夢羽は仕方なさそうにちゃんとするんだよね。


「せんせ、さよーなら」


私も先生に頭を下げ、幼稚園を出た。



「夢羽は、お散歩好き?」


幼稚園から帰る途中、元気に歩く夢羽に聞いた。


「だあいすき。だってねえ」


「ん?」


「ままといっしょだから」

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