あたしの正義



「あなたの見てる世界はなんですか?」

「は?」

「………あたしは見たことのない世界を見に来ました。ここはどんな色があるんだろう。一体どんな輝きがあるんだろう。そんなわくわくを体験してみたくてここにきました。」

「ッ、あはははははッ!!なに言ってんの!?そんなのあたしに聞いてどうすんのよ。そんなもんは自分で見つけるもんよ。でもそんな考えを持ってる子を久しぶりに見たよ。」



おかしそうにケラケラとわらうこの人はさっきとは打って変わって、くしゃくしゃな笑顔を見せてくれた。
その笑顔を見た途端にとんでもなく心の底からこの人と仲良くなりたい、という気持ちが溢れます。

こんな素敵な笑顔をする人は絶対に悪い人じゃないよ。



「あのっ、名前なんていうんですか?」

「ここにきてあたしのこと知らないなんてあたしもまだまだだよ。あたしは雛。よろしくね新人ちゃん。」




ニコッと笑った雛さんはそのまま誰かに呼ばれて何処かへ行ってしまう。



その背中はとても凛としていた。








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