大好きな君の嘘
男の嫉妬
朝、早くに目覚めた君菊

「おはようさんどす」

へにゃっと笑い、土方の顔を見る

まだ思うように動かない手を出し
眉間を撫でた

「しわしわはん…クスッ」

「具合は、どうだ?」

「体が動きまへんな
それに、クラクラします」

「そうか…すまなかったな…」

「?なんで?土方はんは、助けてくれたやん?うち、信じてたんやで?
来てくれはって、ホンマ嬉しかったぁ~
おおきに」

「君菊」

「もう少し、寝ててもええかな?」

「今日は、嫌でも一日寝てろ!」

「ええの?」

「今夜も山崎に身代わり頼んでるから
心配すんな」

「うん おおきに」

目を閉じるとすぐに寝息が聞こえた

君菊の頬に触れた


(無理して笑いやがって…馬鹿!!)








次に目を覚ましたのは、昼過ぎ


「土方はん…」


君菊の横 床の上でゴロ寝していた

徹夜していつの間にか寝てしまっていた


一生懸命に体を動かして、掛け布団を半分

土方に掛けた


「ふふっ 寝ててもしわしわはん」


君菊が眉間を撫で、土方の頬に手を添えた


「堪忍」


そう呟き


土方の唇に自分の唇を重ねた


そっと唇を離すと


君菊は、また眠った











夕餉の刻に土方と君菊の食事を持ってきた
沖田が、激怒した

「土方さん!!何してるんですか!!」


土方が寝ぼけて、君菊に抱きついて

君菊は、抜け出せずにもがいていた


「うおぉ!!!すまん!!君菊!!」

「いえ、力も強いどすなぁ
沖田はんがこおへんかったら、一発殴るとこでした」

「それは、やめてくれ…」

「殴るくらい遠慮せず、どうぞ!
君菊?具合は?」

「朝より、幾分ええです」

「そう よかった
食べれる程でいいから、食べて下さいね」

「おおきに
お世話になりっぱなしやな…
ホンマに、おおきに!」




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