大好きな君の嘘
強い女
土方は、といえば

苛立っていたとはいえ、乱暴にしてしまい

自己嫌悪に陥っていた




君菊の性格からすれば、客を置いていくはずがなく…

余計に傷つけたのではと

反省していた




店を出ると





「新選組の土方はんですね?島田屋です」


ペコリと頭を下げた


「おめぇ 俺を待ってたのか?」

「君菊は?」

「さぁな」

「あの… 怒らないで下さい…」

「はぁ~俺はもともとこういう顔なんだ!」

「ひぃ~すみません!!」

「で?わざわざなんだ?」

「誤解してたら、いかんと思ってですね
君菊は、身を売ろうと言ってましたが
ちゃんと言い聞かせて、身は売らんと
言ってくれましたから…
それから、俺が渡そうとした金は
うちに客人が来る為、飯炊きをして貰った
お礼の給金で…
君菊を買おうやなんて、これっぽっちも
思ってないです!!君菊は、妹にそっくりで…なんていうか、可愛いだけで…」

「もういい
わかった…すまなかったな」


島田屋が怯えながら、懸命に話す

内容を聞いて、早とちりしたとわかる


(俺は…なんてことをしたんだ
惚れた女を…
いや、君菊だから頭に血が昇って
何も考えられなくなって…
謝りたい…)





体調不良ということで

君菊が仕事を休むことになった





山崎が置屋に忍び込む

「おい!与一!!」

「烝!!なんで!!」

「菊に会いたいねん
具合は、どおや?」

「体調不良というか…
食事もせんと、ボーッとしてて
稽古も休んでいます
とても、話が出来る状況じゃなくて」

「なんでもええ!!会わせてくれ!!」








少し悩んだが、山崎と君菊の部屋へ



「菊… 俺がなんか作ったる
明日、いつものとこで 「いかへん」 」

「何も食べてへんのやろ」

「うるさい!!」

「…菊」

「心配されたないって、言うたやろ!!!」







山崎と与一は、追い出された



君菊は、物凄い殺気を出していた






「子供ちゃうねん!!ほっといて!!!」




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