大好きな君の嘘
数日後






「売り切れや!!」

「そこにあんじゃねぇか!!」



買い物に来た土方だが
店主は、品物を売らない


そんな、土方の前に割り込み


「こんにちは
お願いしていた紙と、墨を貰いに来ました」


「あ!菊ちゃん!どうぞ!!
いつも、おおきに!!」


菊ちゃんと呼ばれたのは、先日の不思議な女

土方が口を開け、驚いていると

ツンと袖を引っ張られ

店から出る


「あんた、これが欲しかったんやろ?
あげるわ」

「おめぇが、頼んでたんだろ?」

「うちは、他所でも買える
あんさんは、買えしまへん」

「ありがとよ!お菊ってのか?」

「土方はん…やったか?
うちが、敵なら
あんさんは、簡単にやれるで?」

「おめぇが敵なはずねぇよ」

「あら?えらい自信どすな?」

「助けてくれた」

「それが、手腕やったら?って言ってますのや?簡単に名乗って、うちに心を許し
気づいたらあの世やって、話や」

「騙してんのか?」

「それを見抜くのは、あんさんの仕事や
ほな また」



土方が追いかけようとしたが

また

と言ったからには、また会える

そう思い、後ろ姿を見送った







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