秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
「……かお姉と何かあったのか?」

クロウは俺を見ずにそう言った。



「……なんで、そう思う?」

「だって…昨夜、おまえ『かおり、かおり』ってうるさかったから…」

どうやらバレバレのようだった。
それなら今更隠しても仕方ないか…いや、俺自身、誰かに話を聞いてほしかったんだ。



「くだらない話だけど…聞いてくれるか?」

「あぁ、今日は暇だから聞いてやるよ。」

クロウの憎まれ口は優しさの裏返しだ。



「実は、な……」



俺は昨日のことを話した。
洗いざらい、何もかも…


話すだけで、昨日のことが思い出されて苦しくなるほどだったけど、それでも俺はすべてを話した。


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