秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
一年後…




「ただいま。」

「瑠威!」

「瑠威、おかえりなさい!」



ある日、唐突に…だけど、とっても自然に瑠威が帰って来た。
瑠威は、髪も黒く短く、そして冬だというのに陽に焼けて、まるで別人みたいになっていた。



「悪いんだけど…二人とも、ちょっと俺に付き合って。
表に車を待たせてるから…」

「え?」

わけもわからないまま、私とママは高級な車に乗せられて…
着いた先は、立派なお屋敷。
表札には「杉原」の文字があった。



「ここはどこ?」という質問をする暇もなく、旅館みたいな玄関を抜けて、部屋の中に入った。
中にいたのは、白髪のおじさんとママより少し年上っぽい綺麗な女の人。




「父さん、この人が北川かおりさん。
そして、こっちが娘さんの北川望結さんです。」

「初めまして。杉原です。」

「いつも学がお世話になりまして…」

「こ、こちらこそ…」

突然のことに、ママは緊張しまくっている。
私だって、混乱してかなりのパニックだ。



「かおり、俺の両親だ。
やっと、かおりとのこと、許してもらえた。」

「えっ!」

「では、もういいな。
わしはこれで失礼する。」

白髪のおじさんは、そう言って部屋を出て行ってしまった。
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