秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
えらいことを頼まれてしまった。
ラブレターなんて書いたことないのに、私に書けるんだろうか?
確かに、本は大好きだから、恋愛小説もいくつも読んだことはある。
そういうのを参考にするしかないけど…
自信ないなぁ…

でも、さゆみは、瑠威にプレゼントをするんだって、バイトも遅くまで頑張ってたのを知ってるし、応援はしたいよ…
したいのはやまやまなんだけど、自信がないのと、ママのことを考えるとますます複雑な気持ちになって…



だけど、もう引き受けてしまったんだ。
やれるだけ頑張るしかない!



(素直な気持ちを書けば良いんだ…
さゆみの気持ちになって、瑠威への想いをストレートに考える。
うん、今はそれだけ考えよう!)



そうは思ったものの、なかなか良い文章が浮かばない。
良い文章を書かなきゃ!っていう気負いが良くないのかもしれないけど、うまい具合に気を抜くことが出来なくて、私は毎日悩み続け、ついにはちょっとした不眠症になってしまうくらいだった。



(さゆみの気持ちになって…
シンプルにストレートに…)



毎日毎日、書いては気に食わなくて破り、また書いては破り捨て…



受験の時だって、こんなには苦しまなかった。



あぁ、どうしたら良いんだろう…!?



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