突然来た同居人。




「すごい人だね。」


「まあな。

ちゃんと掴まってろよ?」


「うん!」



こういう人混みを全く嫌がらない碧が好き。


人が多いだけでつまらなくなる人は嫌だから。




参拝列に並んでるときも碧はたくさん話してくれた。


こういうとこ、本当好き。


遊園地のときもおもったけど。



「あのさ、編入試験その髪色で行くの?」


「んー、どうすっかなー。

暗くするかなー。


なんかさ、けっこう自由みたいなんだよね、校則。

私服OKだからみんななんちゃって制服らしいし。

そしたら東高の制服まだ着れるし。

俺あれけっこう好きだし。


受かっちゃえば髪色もうるさくないらしいし

まあこの色はだめかもだけど。


だめでも俺またこの色にするし。


とりあえず、自由みたいだし受かりたいから

試験の時だけは暗くするかな。

入ってから戻す。」



「ふーん、そっか。

暗い碧見るのはじめてだから楽しみ。」


いつも明るくて色素薄いからね。


「芽依のためにした色だし

芽依が好きっていった色だから

ずっと変えてないしな。」



「東高は髪の毛自由じゃないのに

何にも言われないの?」



「めっちゃ言われる。

けど従う俺じゃない。」



「そうだよね。

それで従ってたら授業もサボらないか。」



「テストさえ出来ればそれで良し。」


「安直。」


< 288 / 468 >

この作品をシェア

pagetop