嘘つきお化けの二重線
嘘つきお化け
××年、地球にて

突如宇宙のどこかより
謎の小惑星が地球に落ちてきた
驚くことに小惑星には得体の知れない
化け物が住んでいて地球を新たな住処とするべく地球に予測不能な攻撃を仕掛けてきた
奴らの魔の手は全国にまで及び
人類は殺戮の時代を迎えていた
戦争の火の粉は幼き子供達にも降りかかり戦闘を中心に学ばせ戦闘員を
確保するための学校が建設された

日々の訓練は朝から晩まで
休む間はほとんどない
そんな過酷な状況でもまれた学生達は
当然死んだ魚のような目で
社会の理不尽さを訴える…はずだった

…が

「コラァッ夕野!オレの羊羹返せええっ」
…といった怒声とともに響く銃声
放った本人は染めたのかと疑いたくもなるような紅い髪を振り乱し「奪われた羊羹」を取り戻すべく
廊下は走るなの看板の前を突っ切っていくのだった

「やーだね〜ッ腹減ったんだ!」

飛び交う銃弾を軽々と右に左に避けながら逃げる人物
どうやら彼が羊羹を奪った犯人らしい
満面の笑みで羊羹をくわえながら
走る姿は異常そのものだった

しかし周りの反応は意外にも薄く
またかよ…といったような
生暖かい目で蔑むだけだ

それもそのはず
『夕野』が『秀登』を怒らせて
暴力沙汰になるのは日常的な光景だ

「てめぇ!まちやがれ!」
「待てって言われて待つ奴いないって」

真面目な性格、我が道を突っ走る秀登と
お世辞にも冷静とは言いがたくある意味我が道を突っ走る夕野とでは相性は最悪なようだ言うまでもない

「っと!?」
「はっざまあねえな」
「まってごめん秀登、落ち着いて」
「落ち着いてっから3発でいいぜ」
「銃弾3発とか僕死ぬから!?」

…物騒極まりない

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