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第10章 屍を踏み越えよ
中央大陸と南の大陸の間に位置するシャンドラッド国。


世界最大の平原といわれるレンジュ平原の広大な草原が黒く染まる。


その絨毯の正体は帝国軍歩兵隊。そこから沸く怒号は、相対する連合軍に向けられる。


『エレノア・エリザベス将軍!
 敵はおよそ30万!
 我が軍の10倍近い数です!』


連合軍本陣の作戦本部。


円卓には周辺の地理、敵兵の情報、資料が乱雑に広がっている。それを難しい顔で見つめるエレノアは顔を挙げ、情報を告げた兵の顔を見る。


『ご苦労…
 諜報部に戻って良し』


『ハッ!!』


兵は敬礼をして本陣を後にする。


『私達は十天と云うだけで
 将軍だそうだ…
 そんな重責、私は要らぬぞ』


チェアに腰を深々と掛け、腕を組む。


『まぁ…そう言わずに』


隣ではレオンが煙草を咥えていた。


『お前も古巣の経歴から
 異例の昇進だな、司令官』


『止めて下さい…』


レオンが円卓に散らばる資料の一枚を取って、眼を細める。その先には見慣れた名が十名のリスとの一番上に記されていた。


『帝国十将のリストだ
 七位に座したダームはもはや居ないが』


ジェイミ-・ダーム…聖ミミル湖神殿でクリスが戦った男だ。

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