captivate
大賢者レイヴァルドが翼を広げて、空へ咆哮をあげる。


『我が名はレイヴァルド
 古より聖龍の種を継ぐ
 真を探求せし者也
 我との契約を欲す
 制約者よ
 此処に名を挙げよ!!』


龍の叫びと同時に空が薄暗くなる。同時に空からレイヴァルドを中心にして一筋の光が広がった。


クリスは刀を抜いて制約者として名乗りを上げようとする。しかしそれをクレアが制した。


一瞬戸惑いを覚えたが、クレアが微笑みかけると、クリスは自然と刀を鞘に収めた。


『我が名は
 クレア・ヴァンガード
 “零氷”の名を持つ者
 聖龍レイヴァルドの制約者と
 成る事を求む!!』


龍はクレアが名乗ったことに少し驚いたのか、大きな姿のまま一度クレアを見つめた。


『我が制約者…
 クレア・ヴァンガードよ
 そなたに龍の刻印を』


レイヴァルドの額に紋章が浮かび、クレアの左手の甲に同じ印が宿る。


『これが…』


クレアが左手を掲げる。その手には綺麗に輝く紋章が浮かび上がった。


空の薄暗さは消え、元の明るさに戻ると、自然と手の刻印の輝きも消えていった。


『ありがとう
 レイヴァルド様』


クレアは左手を大事に押さえながら、制約を結んだ龍を見た。


『うむ
 我が力を欲す時
 我が名を叫べ』


そう言うとレイヴァルドは再び翼を閉じ、滝壷に降り立った。
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