kissからはじまる恋せよ乙女!
え...?


「お前だよ、そこのお前
うちの学校でうちの制服じゃないのにうろうろしてるアホ面なお前。
なに?自分の事ってわかってねーの?」


そう言ってその人は私の前に歩いてくる


初対面の人にここまで言われたのは初めてだし
こんなに失礼な人に会ったことがない


とは言っても、周りに人はいなく
この人くらいにしか道を聞くこともできない


制服からしてこの学校の生徒のようだし


聞くしかないのかなぁ...


「おい、聞こえてねーの?返事くらいしたら?」


「はっ、はい!!」


「んだよ、聞こえてんじゃんか。
だったらさっさと返事しろよなー。
ん、ってかお前だれ?
うちの生徒じゃねーよな?なに?泥棒?」


「ど、泥棒なんかじゃありません!!」


「ふ~ん、で、なんなの?
なんでこんなとこにいんの?
どこに行きたいわけ?」


あ、聞いてくれるんだ


「あの、私この学校に新しくはいることになったんですけど
転入手続きがしたくて...
職員室ってどこにあるんでしょう...」


あ”?っと少し嫌そうな顔をした後


「...じゃあついてこいよ」


そう言って私に彼の手が差し出された


手?


「あ、あの...」


「なにしてんだよ、俺、こうみえても忙しいの。
さっさといくぞ。」


「この、手は...?」


「あ”?お前職員室に行こうとしてこんなとこに迷い込んでくるほどの方向音痴なんだろ?
下手したら教えてるうちにどっか消えてるかもしんねーじゃん。
俺、探しに行くのとかごめんだからな?
だから、ほら。さっさとしろよ」


その手は私の手を強引に掴んできた


悪意とか、そうゆうの全然なくて、ただただ優しいのがわかった


「あ、ありがとうございます...」
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