変な恋は変な人と。
出逢い

自分の部屋に差し込む太陽の程よい光。
季節は秋。窓の外から見える風景もそれを私にはっきりと伝えてくるようなもので。街路樹は紅葉し、道行く人々の格好も長袖やカーディガンなどに変わっている。


部屋の中にある鏡の前に立ち、そこに写る自分の姿を見つめる。
制服良し……髪型良し……眼鏡良し!
鏡に写る赤縁眼鏡のツインテール高校生…私、八雲雪音は緊張した面持ちで自分が身にまとっているその制服を見た。


最近、この辺りに引っ越してきた私は今日から某市内にある高校“柳葉高校”へ通うことになっていた。
初めての土地での、初めての転校。
何もかもに緊張していた。


「雪音ー?そろそろ行かないと、遅刻しちゃうかもしれないわよ?」


キッチンの方から聞こえてきた母の声に慌てて時計を見る。
そういえば今日は早めに学校に行って先生に挨拶をしなくちゃいけないんだった!


「い、行ってきます〜っ」


朝ごはんも程々に、私は玄関の扉を開けて学校へ向けて足を進めた。


どんな人たちと出逢うんだろう。
友達は出来るのかな。


そんな不安と期待を胸に抱きながら、私の新しい高校生活は幕を開けようとしていた。
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