答え合わせ




き、聞こえた…?


ウソ…
あたし、しゃべってた…?


「大丈夫!」


  奈穂は、まるでそんなことありませんでしたってくらいに微笑む。


「な、なんで…?」


周りに、ほとんど聞こえてしまったんじゃないかと動揺してしまい、そう聞くのが精いっぱい。


「んふふ…! 大丈夫、何も…聞こえてないから」


「え…?  奈穂~!」


あたしはブンブンっと腕を振り回す。


奈穂はギャ~っとか言いつつ、楽しそうにあたしの前を走って行く。


それがワザとなんて、すぐに分かった。でも、奈穂なりの奈穂なりの…奈穂なりの励まし…なんだって。


それにしても、いじわるな奈穂…!


たぶん、一か八かで言ったんだと思う。
「浦上くんモード」って。


さすが奈穂。あたってる。浦上くんモードなんだよ、あたしは…




ーありがとう、奈穂。元気をくれて。励ましてくれて。



あたしは笑顔で奈穂を追いかけた。



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