エリート上司に翻弄されてます!




日高さんがこっちの会社に来てまだ少ししか経っていないが、普段から乾先輩といるからか彼のハーレムについては知っているらしい。
彼は「そうだな」と溜息と一緒に吐き出すとソファーに凭れた。


「今は大変な時期だしそんなことがバレて大事になると面倒になるかもな」

「そ、そうですね」

「しかもこんな男女の問題に巻き込まれるのも癪だ」

「日高さんって冷たい人ですよね」

「アンタ、俺の何を知ってんの?」


ギロリと睨まれて「すみません!」と思わず飛び上がる。
確かに一緒の部署だけど仕事したことは1度もなかった。

日高さんは怯える私に向かってやるせない態度で言う。


「いいよ、黙っててあげても」

「ほ、本当ですか?」

「ん、それに俺は別にアンタたちがどうなると関係ないし」

「……」


嬉しいです!、と返そうとするが彼の言葉に遮られた。


「けど、黙ってる俺のメリットって何?」

「……あー」


こ、この言葉同じようなことを最近耳にした気がする。
いや全く同じ言葉を……





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