やる気なしの王子とクール執事の日常


パラパラパーッ〜 ♪




「よっしゃー!レベル上がったぜぇ〜」



「糞王子。あなた…

この城から出たいと思ったことはないのですか?」



「城から出る?

なんで城から出ないといけねぇの?」



「普通の王子や姫なら

退屈な時間を城で過ごすのは嫌で
城から出て、庶民の暮らしを体験したいや見てみたいと思いますよ?」



「ははっ。
それは、普通の王子や姫なら……だろ?

俺、城にいて満足してるよ〜?

好きなものを買ってくれるし
好きなものに囲まれている

めっちゃ最高じゃん☆


それに城から出るとか、めんどいし〜

怠いし〜、動きたくない〜」




「はぁ……

ホント、クズですね…」





ミーケは、いつまでもテレビゲームに夢中なルト王子を冷めた目で見つめ

真っ暗な部屋だったのを電気をつけ明るくした





「うわぁ…っ!眩しい…っ!

し、死ぬぅ……っ」



「大丈夫ですよ

あなたは、絶対に死にません」





人間が光を見ただけで死ぬはずがない

バンパイアとかではない限り





「早くお風呂に入っていただけますか?

あなた、臭いですよ


何日、お風呂に入っていないのですか?」



「うーん…………」




「考えるほど、入っていないということですか……」






ミーケは、先ほどまで


王……つまり、ルト王子の父の命令で

他の国に遣いを頼まれていた


なので、ルト王子はミーケがいないことをいいことに何日もお風呂に入ってはいなかった





「ご自分で浴室に向かわれないのなら…

私が強制的にお連れしますよ?」





ミーケの手には、何故か鎖のついた首輪があり…

ルト王子に近づき、その首輪を見せた






「もう、分かった分かったって〜

入ればいいんだろ、入れば」





ルト王子は、頭を掻きながら身体を起こしてソファから立ち上がり浴室に向かった





「きちんと洗っていなければ

私が洗って差し上げます」



「怖ぇよ」





ミーケの手には、先ほどの首輪と……

針が何本も出ているスポンジを持っていた



ルト王子は、それを見て顔を引きつらせながら浴室に入った







そんなこんなで、ルト王子とミーケ執事の日常は始まった






「あっ!別に見たくないならいいよ〜
俺も人に見せたり聞かれたく…………」


「だから、さっさと風呂に入れって言ってんだろ…っ!!」





カコンッ……






ミーケ執事がルト王子の顔目掛けて、ゲームのコントローラーを投げると

ルト王子は、顔に直撃した







「痛い!怖い!暴力反対!」


「……………」


「やだぁ〜!こっちこないでぇ〜!」







その後、ルト王子がミーケ執事に何をされたのかは誰にも分からない………





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