そこにいた
「よしっ!」
久しぶりに制服に腕を通した。
気合いを入れてリビングに降りていく。
「えっ!?
綾子!?」
私の顔を見て、お母さんも武田先生もすごい顔してる。
「ちょっと、今後のこともあるから、学校行ってみようかと思って。」
「今後のこと?」
「卒業後のこと。
一日もつか分からないけど。」
「綾子ちゃん、無理しないでね。」
心配そうな顔の武田先生。
「大丈夫だよ。」
なんとかなるよ。
大丈夫。
私は自分に言い聞かせて、家を出た。