Disposable
側面警戒を担当していたグライムズの姿がない。

その事に気付いたのは、離れた位置で分隊の行動を見守っていた従軍記者のアレックスだった。

「おい!」

「っ!」

いきなり大声で呼びつけられ、マクナイト達は一斉にアレックスを振り向く。

敵の潜んでいる場で大声で呼びつけるとは何事か。

睨み付けるマクナイトだったが。

「グライムズはどうした」

アレックスに言われ、彼らは初めてグライムズの姿がない事に気付く。

作戦行動中だ。

勝手に歩き回る筈がない。

となると、考えられるのは一つ。

「くそっ!」

マクナイト達は横隊から一所に固まり、背中合わせになって周囲を警戒した。

敵が…バニング達が潜んでいる。

百戦錬磨のマクナイト分隊が誰も気付かないほどの手練手管で、グライムズを連れ去った。

「油断するな、何処から来るか分からんぞ」

そう言ったマクナイトの頬に、汗が流れた。

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