Disposable
最凶、解き放たれる
マリオンは、愕然とするバニングの目の前で、悠然と独房から出てくる。

「悪いなバニング」

マリオンは言う。

「このまま脱獄させてもらうが…お前には迷惑かけちまうな…一緒に来るなら脱獄させてやるが…どうする?」

「…逃げられると思っているのか」

頬を伝う汗もそのままに、バニングが言った。

「その独房を出た所で、この先には指紋認証や声紋認証のドアが数多くある。ピッキングでは破れんぞ」

確かに、バニングの言う通りだった。

しかし。

「くっくっくっくっ…」

マリオンは、堪え切れないとばかりに笑った。

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