虹色研究部 - ニジケン -
「――いい加減にしろォーー!!」


張り裂けそうなほどの大きな声が花壇一杯に響く。

皆がその声の主を見つめた。


「……あ、あき?」


溢れそうな涙を堪えながら、和田先輩は震える声で名前を呼んだ。

ハァハァ、と肩を揺らす滝口先輩は、俯いていた顔を上げると、野々花さんをキッと睨み付ける。


――その瞬間、吹いていた風が止まった。

揺れていた花達もピタッと動きを止め、再び己の力で真っ直ぐに咲き誇る。


「人の好意を、人の感情を何だと思ってるんだ!! 人に告白するのはどんなに勇気がいる事なのか……貴女は知っているんですか!?」


いつも無表情で冷静な滝口先輩が、苦しげに顔を歪めている。


「男女の恋愛でも、勇気がいるんだ!! 和田さんが貴女に告白するのに、どれだけの勇気が必要だったか、たった一秒でも考えたのか!?
付き合えなくても仕方ない。でも! この人を傷付ける権利が、貴女にあるはずない!!」


普段からは想像もできない荒々しい声で、思う事を思うままにぶつける滝口先輩の姿に、和田先輩の目からは溢れ出る様に涙がこぼれ落ちた。
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