*片恋日和*

憂鬱な毎日

見てるだけでいい―――。
眺めるだけでいい―――。

ただ、それだけで充分だったのに。

「雪音っ!!今日、席替えだってさ」

朝。
教室の扉を開けると
一番に駆け寄ってきた親友・篠原七海が
明るくそう言った。

「マジかぁ…誰情報??」
「あたし、今日日直じゃん??それでさっき日誌取りに行ったら席替えのくじ、渡されちゃってさぁー…」

くじまで渡されたらもう、絶対に席替え確定だな…。
やだなぁ…
今の席、七海と前後だったから人見知りのわたしとしては、すごく良かったんだけど―――。

「やだよー…七海と離れたくなーい」
「あたしもー!!雪音と近くがいいー」

二人でそんな話をしていると
チャイムが鳴って、みんながバタバタと慌ただしく席に着いていく。
わたしと七海も会話をそこでやめて、席に着いた。

ざわざわとしたざわめきの中。
その音を消すかのように
勢いよく教室の扉が開いて担任の先生が入ってきた。

何個か連絡事項を言った後―――。

「じゃあ、今日は席替えをするんで日直!!くじをみんなにまわしてください」

その途端。今までの静寂が一気に吹き飛んだ。
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