姫サマはキワドいのがお好き☆
「ヒカルクン。いらっしゃい。」
豪華な個室に通されると、そこには真っ赤なドレスで身を包んだ局長がほほ笑んでいた。
「局長。いったい何…。」
「まぁまぁ。それよりまずお料理をいただきましょう。ここはミシュランの二つ星よ。」
そういうと、局長は向かいの席を指差した。
「それで、要件をうかがいたいのですが…。」
「まぁ。女の子がおとこのひとを個室に招くなんて…。ヒカルクンはそんなに疎い男の子だったかしら?」
「はいっ?」
局長が大きな瞳でヒカルを見つめた。
「あ。あのー。」
ヒカルの戸惑いにも局長の瞳は動かなかった。
「うー。なにか反応してくださいって…」
ヒカルの戸惑いが頂点に達しようとした時、『ガーッ』という大きな音とともに個室の扉が開いた。
「おい。このアマ。そんな用事でウチのヒカルを呼び出したんじゃないでしょうね?」
鋭い目ととげとげしい声が優雅な空気を引き裂いた。
「えっ。あーちゃん?」
ドアの向こうには家でおとなしくしているはずの佐藤葵が立っていた。
「あーあ。キミね。こういうお店にくるマナーぐらい心得てくれる?」
局長が不機嫌そうな顔で開け放たれたドアを顎でしゃくった。
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