あたしはそれでもアキが好き
弱った心
アキの家になんて行くんじゃなかった。


そんな気持ちで家に戻ると、両親が驚いた顔であたしを見て来た。


「朝早くに一体どこへ行ってたんだ!」


お父さんはすぐに怖い顔になって怒鳴って来る。


「……アキのところ」


あたしはボソッとそう返事をした。


「アキって、アキ君?」


お母さんがそう聞いてくる。


「うん」


「どうしてこんな早くに?」


「アキに……会いたかったから」


あたしはうつむいてそう言った。


最悪な気分だけど、部屋に逃げ込むほどの元気も残っていなかった。


一睡もせずに調べものと考え事をしていて、頭はぼーっとしている。


「そう……」


お母さんはそう言うと、あたしの肩に触れた。


「アキ君の事が好き?」


そう聞かれてあたしは自分の顔がカッと赤くなるのを感じた。


お母さんにそんな事を聞かれるとは思っていなかった。
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