あたしはそれでもアキが好き
毎日
八つ当たりを受け止める。


そうは言っても、アキが八つ当たりをしてくれなければそれもできない。


あたしはしばらく家でアキの病気について調べていたが、ふと手を止めた。


時間はようやく昼を回ったところで、大きく伸びをする。


あたしとアキの信頼関係はどこまで築くことができているんだろう?


そう思い、学校生活を思い出す。


普通に友達として遊びに出かけたり、2人で話をすることはあった。


でも、それ以上に親友と呼べる存在まではまだまだ遠かったような気がする。


会話の話題はもっぱらテレビや漫画の話で、互いの奥が深い会話をしたことは一度もない。


「あたしが告白したから、アキは病気の事を教えてくれたのかな……?」


あたしはそう呟いてみる。


アキから聞いた話は衝撃的で、今までのあたしたちでは考えられないような内容だった。


もし、あたしがアキと同じ立場だったとしたら……。


病気の事を話す相手はごく限られていると思う。


親友にもなりきれていなかったあたしにアキが話してくれた理由……。


考えていると、カッと頬が熱くなるのを感じた。
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