♀乙女座と吸血奇術師♂~ヴァルゴトマジカルヴァンパイア~③
驚愕の推理
「…とは言ったものの、どうやってヴァンパイア礼士の言う、第三の結末にたどり着けばいいのか?

ヒントとなる例の本も、まだ返却されていないみたいだし。

結局、ここに来ちゃったけれども…」

次の日の一月二十三日、木曜日。第三の結末を求めて春子がたどり着いた先は、例のかるた部だった。

「刑事みたいに、直接谷本さんに聞き出しを行う訳にもいかないし、この場所から、こそ〜っと中の様子を窺い見る事にしますか」

その場所とは、かるた部の部室の入り口の裏側の、部室内の換気を行う為に少し開かれた窓であった。

春子がかるた部の部室の内部を窺い見る事、十分。

特にこれといった収穫も無く、たえ子を除いたかるた部員達の活動を淡々と見続けているだけであった。

しかし、更にその五分後、谷本亮と月山美加を残して、先輩部員達は買い出しに出かける事になった。

そして部室内。

亮と美加は二人きりになった。

ー何かが、起こるかもしれないー

直感的に、春子はそう感じた。

初めのうちは、レコーダーの朗詠する声に合わせて、かるたの札の取り合いにしのぎを削っていた、亮と美加の二人。

しかし突然、レコーダーの朗詠する声はそのままに、二人のしのぎを削る音はピタリと止んだ。

「…どうしたの、美加ちゃん?」

「…どうしてなの?谷本君?」

「?」

「ねえ、どうしてなの?こんなに実力の差があるのに…

大会じゃあ、あなたと同じか、もっと強い人だって出てくるでしょう。

なのに、なぜ!

なぜ私なんかに今大会の出場権利を譲ったりなんかしたの?

ねえ!どうし…

…あっ…」

美加がその先を言おうとする前に、すでに美加は亮に抱き寄せられ、額に優しくキスをされていた。

(あらあらあら〜っ。ご、ご馳走さまです…)

春子は、思わずそう呟き赤面した。

亮の唇が、そっと美加の額から離れた隙を見て、美加は亮を押しのけようとするが、亮は美加をしっかりと抱きしめて離してくれない。

美加は、顔を赤らめ、ツインテールをいやいやと言わんばかりにふりふりさせたが、それもすぐに止めて、亮に抱きしめられるがままになった。

「あなたの方が、強いのに…」

「前にも言っただろ?君の方が、大会に出場するにはふさわしい人だって」

「でも、自信ないわ」

「大丈夫。僕がついている。もっと自信を持ちなよ」

「谷本君…」

(あ〜あ、良いなあ。私と礼士先輩の関係も、早くあそこまで進展したいものだわよ。

ん?何?

ちょっと今良いところなんだから邪魔しないでよ)

(もしも〜し、そこの乙女座さ〜ん。のぞきなんて淑女のする事じゃあないですよ〜)

(うるさいわね!これも調査の一環…って…

…乙女座って私の事を呼ぶ奴なんて言ったら!)
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