虹色ファインダー

「今日も写真撮んの?」

「あんたに関係ない」


私はまだ怒ってるんだから。私の写真、馬鹿にするようなこと言われて。

すると男は傍らに抱えていた大きな鞄から、数冊の本のようなものを取り出した。


「見る?俺の作品たち」


そう言って渡された本の真っ黒な表紙を開くと、東南アジアかその辺りのような雰囲気の写真が奇麗に閉じられていた。

まず最初に目に入ったのは、目の大きな肌の黒い少年の写真。

その大きな瞳に溢れる輝きが私を照らした。
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