恋する想いを文字にのせて…
「そうなのよ、小野寺さん!ホントにその通りなのっ!」


首が伸びきってしまうのではないか…と思うくらい、手紙が届くのを待っていた。

あまりに来ないものだから、呆れてしまわれたんじゃないか…とガッカリしていた。



……最初の一週間目はイライラし通しだった。

次の一週間は深く落ち込んだ。

3週間目で仕方ない…と思い始め、4週間目はもう諦めきっていたーー。


5週目に入ったところで便りが届いた。


どんな答えだろうかと気になって仕方ない。


どうか叶います様に…と願う他ない。


それ以外の答えなど、欲しくはないと思っているのだからーーー。



『単純に答えを言うとしたら、津軽先生にはお会いできると思います。

ご高齢になられた為、連載などは持っておられませんし、現在描かれている漫画も小さな短編程度のものですから。

来未さんのことを話せば、先生もお会いしたがると思います。

けれど、その話をする前に、僕の手紙をしっかりと読んで下さい。



僕は今、少しだけ怒っています。

何を?と思われるかもしれませんが、残念で仕方なくて怒っているんです。


僕は貴女にとって、津軽芽衣子先生への橋渡し的な人間でしかないのでしょうか?

ただの文通相手だと言われたら、それこそかなりのショックを受けてしまいます。


僕の文面を読んで貴女が寒いものを感じたとしたら、どうかこの先は読まないで頂きたい。


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