恋する想いを文字にのせて…
「そうなのか?でも、友人のお姉さんがその同人誌の大ファンだったらしくて、読ませてもらったことがあるそうなんだ。『あの頃からいいもの描いてらしたわ〜』と、思い出しながら話してた。…それが小学校高学年か中学くらいじゃないのか?漫画好きな女だから相当なもんなんだよ」


鼻でせせら笑うようにして話す先輩を見ていた。

そんなふうに馬鹿にした言い方をしていても、お互いに良さを認め合って生活されているのは知っている。


津軽先生の話の中に出てくる、小さな編集社の編集長夫婦にも似ている。


〈支え合って生きている〉


……その姿はまさに仲睦まじさを感じさせた。



先輩の話から考えると、やはり最上来未という女性は奥様の年齢よりも若いと思われる。

高校時代から作品に触れているとして30代半ば辺りか。

女性の年齢など気にすることもなかった俺なのに、彼女の年齢だけは知りたい…と思う。

自分の年と比較しながら、何処かで寄り添えるものを見つけたいと願う気持ちがある。


2通目に年齢のことを書いたのはその為だった。

あわよくば教えてもらえた年齢から、彼女のことが少しでも分かればいい…と思ったのだがーーー。




……返事には何も書かれてこなかった。

自分が書いていた津軽芽衣子との初対面の出会いについて、『私もおからクッキーやミントティーが飲食してみたい』…という内容の返事ではあった。


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