恋する想いを文字にのせて…
『今はもういい歳になって、あの頃の様な細かいタッチも描けなくなったけれど……それでも、これからも描き続けていきたいと思っています。この手が自由に動くうちは、どうか描かせて下さい……』



「うんっ!……うんっ!!」


声に出したら、涙が止まらなくなった。

熱くなった目頭に潤む水気のせいで、大好きな人の絵すらも見えなくなる。


この津軽 芽衣子の作品に高校時代や大学時代の私は、どれだけ救われてきただろう。


マンガ雑誌に名前が書かれてあったら、速攻買って帰って読み耽ったほどだった。

何度も何度も読み返して、目蓋の後ろに絵が焼き付くこともあった。



それだけ大好きだった津軽先生のマンガが雑誌に掲載されなくなって、私も社会人になり仕事をし始めると共に、マンガからも遠去っていった。


およそ10年以上ぶりで見つけたセレクトブック。それは後から思えば、新たな人生への奇跡にも繋がっている。


……でも、この時はまだ何も始まることもなく、並んだ懐かしい画をただひたすら読み返すだけに留まったーーーー。




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