Pathological love
14. trap

今日は初めて白精堂に伺う日。

サポートに回る私は、新商品のモニターイベントの担当になった。

女性限定のイベントだから私が打って付けな訳だが、白精堂の社長令嬢もモニターに参加するので、今日初顔合わせをする事にもなっていた。


「社長令嬢って、どんな人ですかね?」


エレベーターの扉が閉まると同時に、興味津々とばかりに美保ちゃんが話し始めた。

同じ女性とゆう事で、チームを組んだ美保ちゃんも今日は同行している。


「確かまだ大学生じゃなかった?」


「うわ~!若いですね~!!きっと、肌もプリプリで、化粧品なんて要らないんじゃないんですか?」


「美保ちゃんそれじゃあ、本末転倒だから………。」


「あはははっ!確かにそうですね!」


私よりまだ全然若い美保ちゃんは、当然肌はプリプリしてるし、素っぴんもきっとあまり変わらないんじゃ無いかと思わせるほどだ。

本当に年は取りたくないもので、三十路を過ぎた頃から自分の誕生日を指折り数える事も無くなっていた。

誕生日なんてどうでもよかったけど、友からの誕生日メールと、毎年送られてくる母からの手紙が私を現実に引き戻していた。


(そう言えば今年の手紙、封を開けてなかったな………。)


母から届く手紙はいつも同じ、学生時代は“いっぱい勉強しろ”、社会人になってからは“昇進できるように頑張れ”お金を稼ぐ事が母にとって一番で、私の為にも一番だと思っている。

自分が夫の浮気で離婚した事がきっかけだけれど、私が恋愛で自暴自棄になった事で更に拍車がかかった。

ずっと苦労した母だからこその言葉なのだろうけど、耳タコで正直辟易している。

最近では封を開けることも億劫になっていた。


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