Pathological love
3. signal

あの事件からと言うもの、私は会社で噂の的になっていた。

近くを通る度にコソコソと陰口が聞こえて、気分は良くなかったが、何を言っているのかよく聞こえないから反論するわけにもいかない。


「水川主任!おはようございま~す!!」


「おはよう。」


「今日もお綺麗ですぅ~!デスクまで一緒に行っていいですか?」


それから一番困っているのは、これだ。

今まで全くこんなアプローチ無かったのに、急に女性社員から話し掛けられる始末。


(…もしかして私を狙ってる?)


「ありがとう。悪いけど………寄るとこあるから、先に行くわね。」


会社の何処に居ても全く落ち着かない。

私は遅いでロッカーに荷物を置くと、人気の少ない休憩室に向かった。


「はぁーー………疲れる。赤坂部長からは、まだ連絡来ないし………一体いつになったら誤解が解けるのよ………。」


休憩室の長椅子に座りながら煙草に火を点けた。


「………出社した途端、もう煙草吸ってんの?」


秘書課の泉 花枝が紙コップを片手に、喫煙ルームに入って来た。

唯一年下の癖に、私に物怖じせず歯向かってくる飲み友の一人。

しかも何時からかタメ口。

まぁ、仕方がない理由もあるからしょうがない。


「うるさいわね………朝から何をしようと私の勝手でしょ?それとも、あんたも私を狙って口説きに来たの?」


「はぁ?何言ってんの?ヤケになって自虐?でも、その噂聞いたけど………………ウケる!!あははははっ!!」


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