今すぐぎゅっと、だきしめて。


「メリークリスマス。 ユイちゃん」

「え?」


差し出された紙袋に視線を落とす。


なぜか受け取ることも出来ずに、ちぃちゃんの顔を見上げた。




「よかった、ちょうど会えて。 今からユイちゃんちによって行こうと思ってたの。 わたしからの、プレゼント。 受け取って……くれるよね?」


「……ありがとう……。でもあたし、なにも用意してない」




そう言うと、ちぃちゃんは「あは」って困ったように笑った。



「いいのよ。 勝手にわたしが上げたかっただけなんだから。 それからね?」



ちぃちゃんはあたしの手の中に紙袋の紐をそっと持たせ、伏し目がちに微笑むと、キュッとあたしの手を両手で握りしめた。


ほんわかとあったかい。

それはちぃちゃんの全てを、あたしに伝えてくれてるみたいだった。






「わたし……裕貴と付き合うことにしたの」


「……」





――…え?





その言葉に、小さく体が震えた。



「今日はね? 裕貴に誘われてて。 初めて2人で過ごすクリスマスだから、ちょっと緊張しちゃう」



照れくさそうに小首を傾げて見せたちぃちゃん。





ま、待って……

裕貴さんって……大樹のお兄さんだよね?





なら、ヒロは?





ヒロは……今日どうしてるの?



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