今すぐぎゅっと、だきしめて。

低い身長。
小さな体。
ねこっ毛で
勝手にうねる色素の薄い髪。

低い鼻
短いまつげ……。



ううう……
凹んできた。

しかも恥ずかしくなってきた。



ヒロの隣を歩いてる自分にッ!




「はああ」

「ユイ?」



思わず零れた、すっごい溜息にヒロは驚いてあたしの顔を覗き込んできた。


少しだけ吊り上った、まるで猫みたいな瞳。
その中にあたしが映りこんでる。



「え、あ、えーーと。 入学式ってどこでやるの?」



思わず、目をそらす。



「どこって、ここだけど」



は?って感じでヒロは指をさす。

その先は講堂で。
もちろん、入学式はそこでやる。


わかりきってる質問をしたあたしに、さらに不思議そうな視線を送るヒロ。



「あ、ああっ。そうかー。そうだよね。アハ、アハハ」

「ユイ、なんか変だぞ?」

「変って、失礼だなー」



って……バレてる。








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