今すぐぎゅっと、だきしめて。


『ユイは、色んなモノ引寄せる天才だな』


そんなヒロは、チラリと視線を落とすと悪戯に口角をキュッと上げて見せた。



…え?


それって……


「それってどういう……」


きょとんとして、眉間にシワを寄せたあたし。
そんなあたしを少し面白そうに眺めると、再びヒロは前を見据えた。



ほんとに…
ほんとにそこに何がいるのーーッ?



『ちょっとだけ我慢してて』

「へ?……え、え…ちょ…」


ヒロはそう言うと、あたしの肩をグッと掴んだ。
…と思う。



なに……?

……ッ!!?



ヒロがあたしの体に触れた瞬間、全身を襲う激痛。




針を刺すような痛みに、あたしの意識は薄れそうになる。




全身の痛みに加え、息をするのも苦しい。


「………」


ヒロが触れてるところから、熱いくらいのエネルギーを感じる。





も…もう ダメだよ……

ヒロ、あの夜と同じ……あたし今すぐこの痛みから解放されたい。






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