強引上司と過保護な社内恋愛!?
「俺…明日5時起きだ…」

桧山さんは眉根を寄せて苦しげに呟く。

「そう…ですか」

仕事ならお引き留めする訳にもいかない。

「家に上がったら絶対に帰れる気がしない!」

いや…あげるつもりもない。

「じゃあ、早く帰った方がいいですね」

私は腰に回した手をスルリと離す。

あーもー!と言って桧山さんは整えられた髪をぐしゃぐしゃと掻きむしる。

きっと彼の中で理性と煩悩が葛藤しているのだろう。

「この続きはまた帰ったら」

私の肩を抱き寄せると触れ合うだけの短いキスをする。

照れくさそうにはにかむ桧山さんがあまりに可愛いもんだから、私は反射的に頷いた。

心臓が早鐘のように脈打ってる。

どうしよう…今夜は眠れないかもしれない。
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